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中小企業必見|BCPにおけるリスクの洗い出しと影響分析の進め方

中小企業必見|BCPにおけるリスクの洗い出しと影響分析の進め方

BCP(事業継続計画)の作成で最初に行うべき作業は、自社を取り巻くリスクを洗い出し、それが事業にどのような影響を与えるかを分析することです。これを丁寧に行うことで、優先すべき業務や事前に備えるべき対策が明確になります。逆に、この工程を曖昧にすると、いざ緊急事態が発生したときに対応できず、事業の停止や信頼の失墜につながりかねません。本記事では、中小企業がBCPを策定する上で欠かせない「リスクの洗い出しと影響分析」について解説します。

1.ハザードマップで確認する中小企業の災害リスク

まず取り組むべきは、自社の所在地が抱える自然災害リスクの把握です。自治体が公開している「ハザードマップ」や国土交通省の「重ねるハザードマップ」を活用すれば、浸水リスクや地震発生時の想定震度を確認できます。加えて、自社周辺の交通インフラや物流ルート、ライフラインの状況も調べておくことが重要です。

都道府県が作成する被害想定資料では、停電・断水・建物倒壊・交通網の寸断・人的被害といった広範囲な影響が確認できます。これらを事前に把握することで、災害発生時の具体的なシナリオを想定でき、対策の優先順位づけがしやすくなります。特に中小企業は代替拠点やバックアップ体制が限られているため、自社立地のリスクを正確に知ることがBCPの基盤となります。

2.BCPで洗い出す事業停止・縮小リスクの種類

BCPで取り扱うべきリスクを確定するためには、自社の事業を止めたり縮小させたりする要因を幅広く洗い出す必要があります。自然災害(地震・台風・洪水など)だけでなく、停電や断水といったライフラインの障害、感染症の流行、取引先の倒産や仕入れ不能、サイバー攻撃、資金繰りの悪化など、さまざまなリスクが想定されます。

中小企業の場合、経営者の不在というリスクも見落としてはなりません。社長が倒れて意思決定できなくなるだけで、業務が麻痺する可能性があるからです。また、大規模な自然災害は複数のリスクが同時に発生するケースが多いため、「停電+物流停止」「感染症+人員不足」といった複合リスクとして捉える視点も必要です。個別のリスクを単独で見るのではなく、組み合わせによる影響を想定することで、より現実的な計画が策定できます。

3.リスクごとの影響分析|停電・感染症・サイバー攻撃の事例

洗い出したリスクごとに、自社の事業にどのような影響が生じるのかを具体的に分析します。例えば「停電」であれば、生産設備や事務機器の停止、冷蔵・冷凍機能の喪失による在庫の劣化などが考えられます。「感染症」の場合は分散出社や在宅勤務の導入が必要となり、工場や現場では稼働できる人員が減少します。全員が通常通り出社した場合には感染が広がるリスクもあり、業務停止に直結する可能性もあります。

この工程で重要なのは、リスクごとに「具体的な被害シナリオ」を描くことです。単に「停電が発生する」と書くだけでなく、「停電が発生すると製造ラインが24時間停止し、1,000万円の売上損失が発生する」といった具体的な影響を明記します。そうすることで、BCPで優先的に対策すべきリスクを特定しやすくなります。

4.事業継続のボトルネックを特定する方法と重要性

「ボトルネック」とは、事業を継続する上で欠かせない資源のことを指します。人材、設備、システム、仕入れ資材など、その一部が欠けるだけで業務全体が成り立たなくなる要素です。BCP策定では、このボトルネックを特定することが重要です。

ボトルネックを見つける方法としては、「業務フロー」×「必要なリソース」の一覧表を作成するのが効果的です。各プロセスで必要となる資源を整理し、代替できない部分を明確化すれば、それがボトルネックとなります。例えば、製造業であれば特定の機械、福祉施設であれば特定の資格を持つスタッフがボトルネックになるかもしれません。BCPは、このボトルネックを守り抜くための計画でもあります。

5.BCP対応策の検討|事前準備と発災後の対応を分けて考える

最後に、洗い出したリスクと影響、そしてボトルネックを踏まえ、具体的な対応策を検討します。対応策には「事前対策」と「発災後の対応」の両方があります。事前対策としては、非常用電源の導入、備蓄品の確保、代替サプライヤーの契約、クラウドバックアップの整備などが挙げられます。一方、発災後の対応としては、初動での安否確認、被害状況の把握、優先業務の復旧計画などが求められます。

対応策には費用が伴うため、すべてを一度に実施するのは難しいかもしれません。その場合は、被害の大きさや発生確率を基準に優先順位をつけ、段階的に導入するのが現実的です。重要なのは、想定したリスクを放置せず、何らかの対応策を検討しておくことです。これにより、緊急時に「何をすべきか分からない」という事態を防ぎ、事業の継続性を高めることができます。

まとめ

BCP作成の第一歩は、リスクの洗い出しと影響分析です。これを丁寧に行うことで、自社にとって守るべき優先業務やボトルネックが明確になり、必要な対応策が見えてきます。中小企業は「知識がない」「時間がない」と後回しにしがちですが、リスク分析こそがBCPの核心であり、企業の存続を左右する要素です。平時から計画的に取り組むことで、非常時に強い会社をつくり、取引先や顧客からの信頼を高めることができます。

当社では、貴社の業種・業態、従業員の様子など、様々な状況を踏まえたBCP策定を支援しています。お気軽にご相談下さい。

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