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中小企業必見|BCPにおける優先業務と復旧目標の設定方法

中小企業必見|BCPにおける優先業務と復旧目標の設定方法

大規模自然災害や感染症の拡大など、会社や地域に深刻な影響を与える非常事態が発生した場合、通常通りに業務を行うのは困難です。そのため、全ての業務を維持しようとするのではなく、停止や縮小しても問題ない業務を整理し、優先度の高い事業や業務が止まらないようにすることが重要です。また、一旦低下した操業度をどの程度まで、どのくらいの時間で回復させるかという「復旧目標」を設定することで、より現実的な対応策が立てられます。本記事では、中小企業がBCP策定時に押さえておくべき「優先業務」と「復旧目標」の設定について、具体的な方法を解説します。

1.中核事業と優先業務の決め方|中小企業が押さえる判断基準

中核事業とは何か?

非常事態発生時にも止められない重要な事業を「中核事業」と呼びます。例えば製造業では基幹製品の生産ライン、介護施設では利用者へのケア、物流業では配送機能がこれに当たります。複数事業を展開している場合は、それぞれの事業を比較して優先順位を決める必要があります。

<優先度を判断する基準の例>

  • 売上比率・収益比率
  • 取引先や顧客への影響度
  • 自治体との協定の有無(例:災害時の物資供給拠点)
  • 会社のブランドへの影響
  • 雇用維持や従業員への影響

これらを総合的に評価して、非常時にも止められない「中核事業」を特定します。

業務レベルでの精査

中核事業が決まったら、その中に含まれる業務を整理します。すべての業務をフル稼働で続けるのは難しいため、「止められない業務」と「縮小しても許容できる業務」を切り分けることが必要です。例えば、顧客対応の電話受付は継続が必須でも、定例会議は一時的に停止できるといった判断です。この整理を行うことで、緊急時に優先すべきリソース配分が明確になります。

2.操業度の低下と復旧目標の設定|BCPで重要な2つの指標

非常時における操業度の低下

大規模自然災害が発生すると、企業の操業度(稼働率)は急激に低下します。設備の損壊、従業員の出社困難、ライフライン停止などが重なり、通常の業務はほぼ不可能になります。BCPや事前準備がなければ、この低下した操業度を回復できず、事業縮小や廃業に追い込まれる可能性も高まります。

復旧目標の考え方

そこで必要なのが「復旧目標」の設定です。BCPでは以下の2つを明確に定めます。

復旧目標操業度

  事業継続に必要な最低限の操業レベル。(例:通常の50%稼働でも顧客対応を維持できる。)

復旧目標時間

  復旧目標操業度に到達するための時間。(例:発災から72時間以内に復旧目標操業度を達成する。)

つまり「いつまでに、どの程度稼働するか」を明確に数値化するのです。この設定があることで、優先業務に必要な人員や資源の手当てが現実的に計画できます。

早期復旧がもたらす効果

早期復旧を実現した企業は、非常時でも供給責任を果たせる企業として取引先から高い評価を得られます。逆に復旧が遅れる企業は、信頼を失い顧客離れを招きやすくなります。中小企業にとって、復旧目標を設定し、それに向けて具体的な行動計画を作ることは、企業価値を守るうえで不可欠です。

まとめ

中小企業がBCPを策定する際に重要なのは、すべての業務を守ろうとするのではなく、優先度を見極めることです。中核事業とその中の優先業務を明確にし、復旧目標操業度と復旧目標時間を設定することで、計画に実効性が生まれます。

「どの業務を止めてもよいか」「どの業務は維持すべきか」をあらかじめ判断しておくことは、緊急時の混乱を防ぎ、従業員の安全と企業の存続を両立させるために欠かせません。さらに、早期復旧ができた企業は取引先や顧客からの評価も高まり、結果として平時の競争力強化にもつながります。

BCPは単なる非常時マニュアルではなく、中小企業が持続可能な成長を遂げるための経営戦略ツールでもあるのです。

当社では、貴社の業種・業態、従業員の様子など、様々な状況を踏まえたBCP策定を支援しています。お気軽にご相談下さい。